写真家としてのデビュー以来、土田ヒロミ(1939- )は、一貫して戦後の日本を主題に撮影を続けてきました。なかでも、広島平和記念資料館の被爆資料を撮影した「ヒロシマ・コレクション」は、土田のライフワークとなっており、被爆80年にあたる2025年だからこそ、土田の写真は日本とその行く末について深く再考する機会を与えてくれるでしょう。
被爆資料の撮影にあたり、土田は、徹底して私的な解釈や情緒的な自己表現を避けようと努めてきました。悲劇的な形象や象徴性を強調するのではなく、身近な衣類や日用品など、資料そのものを記録することに徹し、誰もが認識できる記号的性質を重視しているのです。一方で、それらの記号の下には資料にまつわる具体的なエピソードが写真と同等のものとして添えられます。そうすることによって土田は、80年前に広島で起きた大惨事が、現在の日常につながっていることを示唆しようとします。それらをわたしたち自身の問題として認知するために――それが「ヒロシマ・コレクション」のために選択した土田の方法論です。
本展は、2023年開催の国際美術展カーネギー・インターナショナルにおける「ヒロシマ・コレクション」の展示を超える、過去最大の点数を展示します。
開催日時・観覧方法
〈開催期間〉
2025年6月28日(土)– 2025年 9月7日(日)
〈休館日〉
月曜日(月曜日が祝・休日の場合は開館、翌火曜日が休館)
〈開館時間〉
10時-17時(入館は16時30分まで)
※7月4日(金)・25日(金)、8月6日(水)・15日(金)・29日(金)は
10時~19時30分まで(入館は19時まで)
〈主催〉
公益財団法人香雪美術館、朝日新聞社
〈協力〉
Office Nirvana 土田ヒロミ
〈特別協力〉
広島平和記念資料館
〈観覧料〉
一般1,600(1,400)円、高大生800(600)円、小中生400(200)円
※( )内は前売り・20名以上の団体料金
※こども無料DAY:8月1日(金)~31日(日)
この日程に限り小学生~大学生まで入館無料!
(保護者は有料です)