国立国際美術館は、昨年度アメリカのコンセプチュアル・アートを代表するアメリカ人作家メル・ボックナーの重要作品の一つ《セオリー・オブ・スカルプチャー(カウンティング)&プライマー》を収集しました。この新たな収蔵作品に当館コレクションから日本人作家—荒川修作、河原温、高松次郎等の作品を加え、コンセプチュアル・アートについて考えてみたいと思います。
メル・ボックナー(1940- )は、その60年近くにわたるキャリアの中で、コンセプチュアル・アートの中心的存在として、彫刻、インスタレーション、絵画、ドローイング、写真など様々な媒体を用いて作品を制作してきました。今回当館が新たに収蔵した作品は、とりわけ「彫刻」の根底にある基礎的な概念に対する作家の探究心の全てが表現されており、またドローイング作品においては、ドローイングの厳格な定義に挑戦しながらドローイングとは何かを常に問いかけるボックナーの特筆すべき一点と評されています。
あわせて当館の収蔵作品から、荒川修作、河原温、高松次郎等の同時代に活躍した日本人作家による作品も紹介いたします。
[メル・ボックナー]
1940年、米国ピッツバーグ生まれ、現在ニューヨークを拠点に活動。
1966年、ニューヨークのビジュアル・アーツ・スクール・ギャラリーで最初の展覧会を開催し《必ずしも芸術として見られる必要のないワーキング・ドローイングとそのほかの視覚的なもの》(豊田市美術館蔵)というゼロックスコピーによるアーティスト・ブックを発表。この展覧会は最初のコンセプチュアル・アートによる展覧会として位置付けられている。初期作品では、ソル・ルウィット、エヴァ・ヘス、ロバート・スミッソンといった1960年代に登場したアーティスト等と同様、合理的なシステム(数字、計測、定義)を用いて、存在の非合理性や暫定的な在り方の探求に関心を寄せている。またこの頃より多くの理論的著作も記している。近年では、言語の視覚的表現におけるイメージと意味の相互関係を探るみずみずしい絵画的実践によっても知られている。
〈開催時間〉
10:00─17:00 ※金曜・土曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
〈休館日〉
月曜日(ただし、5月1日は開館)
〈主催〉
国立国際美術館
〈協賛〉
ダイキン工業現代美術振興財団
〈観覧料〉
一般430円(220円) 大学生130円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下・18歳未満・65歳以上無料(要証明)
※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
※本展は同時開催の「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の観覧券でご観覧いただけます
夜間割引料金 (対象時間:金曜日・土曜日の17:00 – 20:00)一般250円 大学生70円
無料観覧日:2月4日(土)、3月4日(土)、4月1日(土)、5月6日(土)、5月18日(木)
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