「クリエイティブアイランド中之島」は2025年9月27日(土)〜11月30日(日)に、回遊型プロジェクト「ARでめぐる『中之島15の場所での物語』」を開催します。
『中之島15の場所での物語』は、演劇作家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規が、大阪・中之島を舞台に創作した物語です。本プロジェクトでは、アーティストやクリエイター、さらに公募参加者が制作した本物語のAR挿絵作品を、鑑賞者は中之島をめぐりながら体験することができます。
過去から現在にいたる歴史文化や、未来的なSF感覚が交錯する15のオリジナルストーリーをスマートフォンを通じて現実の風景に重ね合わせながら鑑賞していただけます。リアルとバーチャルが交差する、新たな物語体験をお楽しみください。
※本プロジェクトは日本語・英語の両言語に対応しています。

名称:回遊型プロジェクト「ARでめぐる『中之島15の場所での物語』」
会期:2025年9月27日(土)〜11月30日(日)
場所:ミーティングポイント設置の15か所
   (中之島センタービル/グランキューブ大阪/リーガロイヤルホテル大阪/大阪大学中之島センター/大阪中之島美術館/国立国際美術館/大阪市立科学館/graf studio/中之島フェスティバルタワー/中之島フェスティバルタワー・ウエスト/大阪府立中之島図書館/大阪市中央公会堂/大阪市立東洋陶磁美術館/こども本の森 中之島/アートエリアB1)
時間:各施設の開館時間に準ずる 
鑑賞料:無料
作品制作:金氏徹平、菅野歩美、小林健太、contact Gonzo、MANTLE(伊阪柊+中村壮志)、STYLYクリエイター、公募参加のみなさま
XR総合演出/プラットフォーム提供:株式会社STYLY

主催:クリエイティブアイランド中之島実行委員会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
共催:中之島パビリオンフェスティバル2025 実行委員会
特別協力:株式会社STYLY / 吉田山(floating alps)
委託:令和7年度日本博2.0 事業(委託型)

中之島に点在する15施設に設置のミーティングポイントで、各作品をご覧いただけます。

① 中之島センタービル「三十一階」|STYLYクリエイター
② グランキューブ大阪「プラザ。」| MANTLE(伊阪柊+中村壮志)[アーティスト]
③ リーガロイヤルホテル大阪「リーチバー」|STYLYクリエイター
④ 大阪大学中之島センター「旧緒方洪庵住宅(適塾)より」|菅野歩美 [アーティスト]
⑤ 大阪中之島美術館「空き地」|小林健太 [アーティスト]
⑥ 国立国際美術館「B4F」|contact Gonzo [アーティスト]
⑦ 大阪市立科学館「どれがわたしでしょう」|公募参加者
⑧ graf studio「ここ」|STYLYクリエター
⑨ 中之島フェスティバルタワー「錦橋」|STYLYクリエイター
⑩ 中之島フェスティバルタワー・ウエスト「オルタナティブな道行」|STYLYクリエイター
⑪ 大阪府立中之島図書館「書物を読む経験の空間化」|STYLYクリエイター
⑫ 大阪市中央公会堂「OMMビル」|金氏徹平 [アーティスト]
⑬ 大阪市立東洋陶磁美術館「加彩婦女俑(かさいふじょよう)」|公募参加者
⑭ こども本の森 中之島「ふしぎなふね」|公募参加者
⑮ アートエリアB1「アートエリアB1前地下通路」|公募参加者

【ミーティングポイントとは】

東西3.3キロの中之島を回遊・散策していただくために、2021年から中之島にある15施設のロビー等にミーティンポイント(サインスタンド)を設置しています。ここでは、15の物語の印刷物や美術館マップを配架し、中之島の文化情報と出会う場として活用しています。今回は、15の物語をAR化したバーチャルなビジュアルと、リアルな実際の風景が組み合わさる新たな芸術体験と、それぞれの物語を巡ることで中之島の多様な魅力を発見する、まち歩きのポイントとして活用しています。

金氏徹平 Teppei Kaneuji 
担当作品:『OMMビル』|大阪市中央公会堂

1978年生まれ。美術家・彫刻家。京都市立芸術大学美術学部彫刻科准教授。身のまわりの事物を素材に、部分を切り抜き、繋ぎ合わせることで既存の文脈を読み替える、コラージュ的手法による作品を制作している。横浜美術館(2009年)、ユーレンス現代美術センター(北京、2013年)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2016年)などで個展を開催。また、国内外の企画展・国際展でも作品を発表している。2011年以降は舞台美術も多数手がけ、近年は舞台作品の制作にも取り組んでいる。平成24年度京都市芸術新人賞、平成27年度京都府文化賞奨励賞、平成30年第29回タカシマヤ文化基金受賞。
右:作品イメージ ©︎Teppei Kaneuji

菅野歩美 Ayumi Kanno
担当作品:『旧緒方洪庵住宅(適塾)より』|大阪大学中之島センター


どこの土地にも存在する、土地にまつわる物語や伝説、幽霊譚。フォークロアと呼ばれるそれらは、なぜ人々によって紡がれてきたのか、その背後にある歴史や個人の感情を想像することで生まれる「オルタナティヴ・フォークロア」を映像インスタレーションによって表現している。作品の制作を通して、メディアアートとして生まれ変わったフォークロアが私たちにもたらすことは何かを研究している。

左:Photo by Kaori NISHIDA
右:作品イメージ ©︎Ayumi Kanno

小林健太 Kenta Cobayashi
担当作品:『空き地』|大阪中之島美術館


1992年、神奈川県生まれ。現在は東京と湘南を拠点に活動。写真、デジタルメディア、立体、インスタレーションなど、複数のメディウムを横断して制作する。

右:作品イメージ©︎Kenta Cobayashi

contact Gonzo
担当作品:『B4F』|国立国際美術館


2006年結成。グループ名は自分たちが実践する方法論の名称で人と人との接触、肉体の衝突に着目し独自の牧歌的崇高論を構築し、それをベースに即興的なパフォーマンスを多数制作。そこから派生したアイディアや素材をもとにゲームやインスタレーション、写真や映像作品の制作、冊子編集などを行い発表している。

左:Photo by LiekoShiga – Takuya Matsumi
右:作品イメージ ©︎contact Gonzo

MANTLE(伊阪柊+中村壮志) MANTLE (Shu Isaka+Soshi Nakamura)
担当作品:『プラザ。』| グランキューブ大阪

伊阪柊と中村壮志によって結成されたアートコレクティブ。地形の生成や地殻運動、生物群集の遷移、さらには雷をはじめとする気象現象まで、地球規模の現象を対象に、人間の知覚や時間軸を超えたスケールでの観察・シミュレーションを試みている。あらゆるサイトスペシフィックな環境にアクセスし、そこで感知される長期的・短期的な変化や、偶発的な出来事、システムのエラーまでも作品の構成要素として取り込みながら、遊戯性と実験性をもって現在とまだ見ぬ時空との接点を探る。自然界に潜む秩序と偶然を、詩的想像力で可視化することを目指している。

右:作品イメージ ©︎MANTLE(Shu Isaka+Soshi Nakamura)

演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰の岡田利規が中之島に複数回滞在してリサーチを重ね、中之島に置かれた15のミーティングポイントごとに物語を創作。2024年秋より、各ミーティングポイントに物語を配架しています。その場で読むことを想定して書かれたテキストは、歴史や出来事に基づきながらも、各スポットの可能性と想像力が大きく広がるものに。

岡田 利規  Toshiki Okada 
演劇作家、小説家、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。チェルフィッチュでは2007年に同作で海外進出を果たして以降、世界90都市以上で作品を上演し続けている。音楽家・美術家・ダンサー・ラッパーなど様々な分野のアーティストとの協働を積極的に行なっている。2016年からはドイツの公立劇場レパートリー作品の作・演出を継続的に務め、2020年『掃除機』(ミュンヘン・カンマーシュピーレ)および2022年『ドーナ(ッ)ツ』(ハンブルク、タリア劇場)でベルリン演劇祭に選出。小説家としては、2007年に『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を刊行。第2回大江健三郎賞受賞。2022年に『ブロッコリー・レボリューション』(新潮社)で第35回三島由紀夫賞および第64回熊日文学賞を受賞。2025年からは東京芸術祭のアーティスティック・ディレクター、2026年からは東京芸術劇場の芸術監督(舞台芸術部門)に就任する。

Photo: ©Kikuko Usuyama