1935 年に生まれ、2016 年に没した画家の中西夏之は、絵画という営みを根底から問いなおそうとしました。絵画はいかにして立ち現れるのか。そもそも、絵画の存在する場所はどこか。このような問いに貫かれ、生み出された彼の作品は、具象や抽象といった、既存の枠組みにおさまるものではありません。彼のねらいはむしろ、あらゆる自明の理を括弧に入れたうえで、新たに「絵画」を立ち上げなおすことだったと言えるでしょう。
本展覧会は、中西の半世紀以上にわたる制作の軌跡を振り返り、その特異な絵画理念と実践を、ともに浮き彫りにしようと試みます。画家を志しながらも、前衛美術家集団「ハイレッド・センター」の一員として数々のイベントを繰り広げ、絵画から離れていった1960 年代前半。その後、舞踏家・土方巽との出会いをきっかけにして本格化した絵画への回帰。こうした迂回路を経た末に手がけられていく彼の作品たちは、絵画という営みについての思考を促さずにはおきません。
かつて中西は、絵画のありようを指して「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」という、謎めいた言葉を残しました。オレンジや黄緑や紫の色を多用し、異様に柄の長い筆で遠くから描いてみせた彼の絵画もまた、そうした「装置」の一つであるはずです。没後10 年の節目となる2026 年、本展覧会はこの言葉を導きの糸としつつ、中西の投げかけた問いに向き合います。
なお、本展は山梨県立美術館(7 月4 日(土)~ 8 月23 日(日))、セゾン現代美術館(9 月5 日(土)~ 11 月3 日(火・祝))、茨城県近代美術館(11 月12 日(木)~ 2027 年1 月17 日(日))への巡回を予定しています。
開催日時・観覧方法
〈会期〉
2026 年3 月14 日(土)‒6 月14 日(日)
〈開催時間〉
10:00‒17:00 ※金曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
〈休館日〉
月曜日(ただし、5 月4 日は開館)、5 月7 日
〈主催〉
国立国際美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
〈協賛〉
公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
〈協力〉
SCAI THE BATHHOUSE
〈助成〉
公益財団法人ポーラ美術振興財団
〈観覧料〉
一般1,500 円(1,300 円)大学生900 円(800 円)
※( )内は 20 名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間:金曜の17:00‒20:00)
※高校生以下・18 歳未満無料(要証明)
※心身に障がいのある方とその付添者1 名無料(要証明)
※本料金で、同時開催の「コレクション3」もご覧いただけます。
