河井寬次郎(かわいかんじろう・1890~1966)は、近年の「民藝」ブームにより、注目が増している陶芸家の一人です。河井は島根県安来に生まれ、東京高等工業学校窯業科(現東京工業大学)に入学し、窯業を学びます。大正3年(1914)に京都市陶磁器試験場に入り、技手として約3年間の勤務後に独立。同9年に五条坂の窯を入手して「鐘溪窯(しょうけいよう)」と名付け、以後没するまで京都で活動しました。
初期は様々な釉薬の技術を駆使して、中国の古い陶磁器をモデルにした作品を発表します。ところが、思想家柳宗悦(やなぎむねよし)との出会いをきっかけに、柳・陶芸家の富本憲吉(とみもとけんきち)・濱田庄司(はまだしょうじ)との連名で、大正15年(1926)に『日本民藝美術館設立趣意書』を刊行します。「用の美」に即した素朴な味わいの作風に大きく転換し、民藝運動の中心的人物として活躍。戦後は用途をもたない陶彫(とうちょう)による造形作品を展開しました。
本展のタイトル「陶技始末(とうぎしまつ)」は、河井が各地の窯場を訪問した際の実見録を、民藝運動の機関誌『工藝』に寄稿していた連載のタイトルです。これまでに紹介されていなかった河井の陶芸作品を中心に、創作活動の始まりから終わりまでをたどり、併せて、河井を支援した関西の収集家たちによるコレクションも紹介し、計約100点を展示します。
展覧会の詳細
〈開催期間〉
2022年6月18日(土)~8月21日(日)
〈休館日〉
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
〈開館時間〉
10時~17時(入館は16時30分まで)
※2022年6月23日(木)、7月21日(木)、8月18日(木)10時 ~ 19時30分(入館は19時まで)
〈料金〉
一般 1100(900)円/高大生 700(500)円/小中生 400(200)円
※( )内は20名以上の団体料金
【割引サービス】
・本人と同伴一名
朝日友の会(200円引き)、障がい者手帳(半額)
・本人のみ
藪内燕庵維持会(200円引き)、フェスティバルホール友の会(クラブ)(200円引き)
<新型コロナウイルス感染防止対策について>
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