事業の背景と目的

世界の都市の島の創造性

パリのシテ島、ベルリンのムゼウムス・インゼル、ニューヨークのルーズベルト島、ロンドンのサウスバンク地区など、世界の都市には、交通や物流など経済の要としての川にはさまれた島や中州があります。陸路や空路が中心になった現代においても、都心の島は、観光や新たな環境インフラなどに活用されるとともに、美術館や劇場、大学などの芸術・学術拠点を軸にした創造都市の核を担っています。

大阪・中之島の多様性と可能性

大阪市北区に位置する「中之島」は、堂島川と土佐堀川に挟まれた東西約3kmの中州です。
近世の開拓以降、江戸時代には天下の台所、近代には大大阪時代の象徴として栄えました。
現代では、行政や金融、報道機関のほか、様々な企業が集積する大阪の経済の中心地であると同時に、美術館やホール、科学館、会議場、大学サテライトなど十数もの創造拠点や近代建築などの文化資産が集積しています。
さらに、2022年2月には大阪中之島美術館の開館を迎え、エリアとしての関心が高まる中之島は、世界にも類を見ない多様性と国際性を活かしたMICE誘致のポテンシャルが極めて高い地域です。

中之島(写真提供:朝日新聞)
中之島(写真提供:朝日新聞)

「クリエイティブアイランド中之島」による都市のリブランディング

「クリエイティブアイランド中之島実行委員会」は、中之島に拠点をおく14の組織が主体となり、国内最大規模の創造ネットワークを構築するため、2019年に設立しました。
しかしながら2020年に突如発生した新型コロナウイルスの影響により世界が一変し、改めて本事業の意義や可能性について議論を重ね、当初の計画を再考しました。
本実行委員会では、2021年から段階的に、中之島エリア全体をユニークベニューとして「創造的な研究所」に見立て、様々なクリエイティブコンテンツを開発・創出していきます。
世界に誇る中之島の文化資産の数々を点から線に、線から面につなげた創造ネットワーク事業を通じた持続可能な都市のリブランディングによって、ニューノーマル時代にふさわしい、 “世界中の人々が訪れ集うクリエイティブなまち中之島”を目指します。

文政8年(1825年)の古地図の中之島
昭和初期の中之島
明治大正昭和の大阪写真集5
「大阪行幸記念空中写真帖」
大阪府立図書館アーカイブより