ナカノシマ・シネマ・サミット~語ろう ! アジア映画
『フィリピン映画が映し出す――スクリーンの向こう側の現在地』
映画を〈観る〉から〈語る〉へ、そして〈未来を描く〉対話へ
大阪アジアン映画祭と大阪大学が、知と文化が交わる中之島から、アジア映画を語るプラットフォーム――フィルムメーカー、研究者、学生、観客といった異なる立場の人びとが交差し、対話をすることで新たな視点や発見が生み出される場所をひらきます。アジア映画というレンズを通して、その背後にある多様な社会や文化に触れてみましょう。中之島から紡がれるアジア映画をめぐる新たな“旅”――今回はフィリピンへ、いざ出発!
開催日時・観覧方法
〈開催日時〉
2025年9月7日(日)13:30~15:30(13:00開場) ※開催時間内、出入り自由
〈会場〉
大阪大学中之島センター 3Fスタジオ (大阪市北区中之島4丁目3-53)
〈申し込み方法〉
お申し込みフォームのご入力をお願いします。
※入場無料。事前お申し込みなしでも空席がある限り、ご参加いただけます。
〈登壇ゲスト〉
ジオ・ロムンタッ(『サンシャイン』プロデューサー)、ルイズフリーダ・ジョイ・アンジェリカ・オライ(大阪大学大学院 人文学研究科 外国学専攻 特任講師)、レオ・P・カティグバク(オンライン登壇/フィルムアーキビスト)
※やむをえない理由により、ゲスト・プログラムの変更の可能性があります。
※日英タガログ通訳付き
〈参考〉
『サンシャイン』上映日時・会場 ※いずれの上映もゲスト登壇予定
・9月3日(水)13:10 ABCホール
・9月6日(土)19:10 ABCホール
※シンポジウムの内容にかかわる作品です。
※映画の鑑賞については、大阪アジアン映画祭のチケットよりご確認ください。
〈プログラム詳細〉
フィリピン映画が映し出す――スクリーンの向こう側の現在地
Special Focus: The Philippines on Screen – Mapping the Present Beyond the Frame
▶︎パート1 ※オンライン登壇
“源流(ルーツ)とその伝承――未来へ向けて”
・ゲスト:レオ・P・カティグバク 氏/フィルムアーキビスト
今年の大阪アジアン映画祭の幕開けを飾ったのは、レストア版『万博追跡』。製作から55年を経て、ボロボロの状態だったフィルムが大阪・関西万博の地で蘇るという、象徴的な幕開けです。過去を保存し未来へ橋渡しする――フィルムレストレーションの実践とその意義に注目します。
▶︎パート2
“フィリピンのインディペンデント映画制作の今”
・ゲスト:ジオ・ロムンタッ 氏/『サンシャイン』プロデューサー
コンペティション作品『サンシャイン』は、トロントやベルリンなど世界の映画祭でも注目を集めています。国際舞台で存在感を放つフィリピンのインディペンデント映画――その制作現場のリアルと可能性を探ります。
▶︎パート3
“『サンシャイン』から見るフィリピンにおける倫理的ジレンマの可視化:宗教・法・ジェンダー”
・ゲスト:ルイズフリーダ・ジョイ・アンジェリカ・オライ氏/大阪大学大学院 人文学研究科 外国学専攻 特任講師
『サンシャイン』を手がかりに、フィリピン社会の現在を考えます。映画の背景にある宗教や法、ジェンダーといったテーマを専門家とともに読み解き、その文化を深掘りします。作品を観ていない方でもご参加いただけます。
▶︎パート4
“アジア映画を語ろう!――中之島から世界へ広がる対話の輪”
最後は、ゲストへの質疑応答と会場のみなさんとのディスカッションです。ここまでのお話しを受けて、アジア映画の魅力と可能性を分かち合い、中之島から世界へとつながる対話の輪を広げていきましょう。
〈ゲスト情報〉
▶︎ジオ・ロムンタッ(『サンシャイン』プロデューサー)
マニラを拠点とする制作会社Super!の創設者として、世界に通用するオリジナルのフィリピン作品をプロデュースしている。ベルリナーレ・タレンツ、タレンツ・トーキョー、釜山アジアン・フィルム・スクール、ロッテルダム・ラボ修了。初プロデュース作『行方不明』(カール・ジョセフ・パパ監督、OAFF2024)は、第96回アカデミー賞フィリピン代表作品として歴史に名を刻み、2024年のアジア太平洋映画賞で最優秀アニメーション映画賞を受賞した。2024年のトロント国際映画祭でプレミア上映され、2025年のベルリン国際映画祭でクリスタル・ベア賞を受賞した最新作『サンシャイン』が、OAFF EXPO2025-OAFF2026コンペティション部門で上映される。
▶︎ルイズフリーダ・ジョイ・アンジェリカ・オライ(大阪大学大学院 人文学研究科 外国学専攻 特任講師)
イロカノ語、フィリピノ語、日本におけるフィリピン移民、その他フィリピン研究関連科目を担当。また、学部・大学院の両レベルで「ジェンダーの文化的構築」に関する授業を開講。春夏学期には植民地化以前から現代に至るまでのフィリピン女性をテーマとし、秋冬学期にはフィリピン人のジェンダーやセクシュアリティをめぐる課題を扱っている。フィリピン大学ディリマン校にて人類学の学士号および修士号を取得。2021年、大阪大学より人間科学の博士号を授与された。主な著書に『世界の言語シリーズ 20 イロカノ語(大阪大学出版会)』(栗村ドナルド・矢元貴美共著)など。
▶︎レオ・P・カティグバク(オンライン登壇/フィルムアーキビスト)
1980年代半ばにフリーランスのライター、編集者、プロデューサー、ディレクターとしてキャリアを開始。1994年にABSフィルムアーカイブを設立し、その後ABSおよびStudio 23の放送チャンネルでコンテンツ調達や編成を担当した。ABS-CBNフィルム・レストレーションを立ち上げた際には、社長室のチーフ・オブ・スタッフを務めた。現在はフリーランスのコンサルタントとして活動し、近年は「Sagip Pelikula(サギップペリクラ 直訳:映画を救う)」運動とABS-CBNの映画修復事業を統括するとともに、番組兼ポッドキャスト「Best 10 Bets」の共同ホストを務めた。
〈共催〉
大阪アジアン映画祭、大阪大学中之島芸術センター、大阪大学21世紀懐徳堂、クリエイティブアイランド中之島実行委員会、中之島パビリオンフェスティバル2025実行委員会